
この記事の要旨を簡単にまとめると
- 車種は、スズキV-Strom 650 ABS。
- 4年経過で走行距離は2万キロ。
- 前後のスプロケットとチェーンを交換したら、工賃が8,000円だった。
- これが、高いか、安いか?って話です。
- チェーンの選び方についても解説します。
V-Strom 650 ABSのチェーンが交換時期に
愛車は、2014年型のV-Strom 650 ABSです。
昨年1回目の車検を通して、今年が最初の12ヶ月点検なので、ちょうど丸4年が過ぎたところです。

走行距離 21,309km
衝突はもちろん、立ちごけさえもないので、車体はきれいだし、まだまだ新車の気分でいたのですが、最近高速走行の走り出しのときに、チェーンがガタガタして当たるので、伸びてしまったのだと感じました。
そこで、いつものバイク屋に持っていって
「チェーンがたるんでいるようだから張ってください」
と頼んだのです。
しばらく作業をしたあとで、バイク屋の親父さんが言うには、
「このバイクは、そろそろチェーンの替えどきだね」って。
チェーンってのは、全体が均等に伸びるもんじゃないだよ。
部分的に伸びたり伸びてなかったりなんで、いくら張ってもたるむところが出てくるんだ。
精一杯調整したけど、もう、交換を考えたほうがいいよ。
チェーンは全体が均等に伸びるわけではない
全体が均等に伸びるのであれば、チェーンを引っ張って強く張れば調整できるのですが、チェーンとはたくさんのコマの集合体ですから、1個1個のコマの伸び具合が違うのです。
下の図は、かなり極端な表現をしていますが、チェーンの伸び方が均等でないことは理解できたでしょう。
走行2万kmはチェーンの替え時らしい
えっ!
おやっさん、まだ、そんなに走っていないだろう、と、わたし。
いやいや、4年過ぎて走行距離が2万キロを超えたとなると、交換時期だよ。
この辺をよく見てご覧よ。
部分的に焼けて縮んでいるところもあるし。
ホントのところ、もう危ないよ、これ。
暗くて写真は撮れなかったのですが下の図(かなりオーバーな表現ですが)のようなイメージで、親父さんが指摘した部分はチェーンが曲がったまま伸びませんでした。なるほど、部分的にこんな風に焼け付いていたら、均等に張ることは出来ないだろうなと、簡単に納得しました。
ネット情報を調べてみると、だいたい1万5千kmくらいから、チェーンの交換を考えなきゃならないようで、2万キロを越えたら、立派な交換時期のようです。
仕方がない、チェーンを交換することにしました。
自分で交換するか、バイク屋に頼むか
元々がエンジニアだった管理人ですから、少々の機械いじりはできる方です。
ネットで調べると、アマゾンや楽天でチェーンを安く売っているので、自分で交換することも考えました。
定年退職からもうすぐ8年になろうとしており、細かいところは老眼鏡を使わないと見えない状況で、命をかけるバイク修理をする自信も心の余裕もないので、早々にバイク屋に頼むことを決めました。
そもそも、工具がないので買わなければならないようですから、その費用も考慮しなければなりません。
チェーンカッターとかしめ機が必要になるようですが、使い方がわかりません。
やっぱり、自分で交換するのはやぁ~めた。
V-Strom 650用チェーンの選び方
チェーンメーカーはどこを選ぶか
日本のバイクチェーンメーカーは、3つあります。
- DID 大同工業株式会社
- EK 株式会社 江沼チヱン製作所
- RK アールケー・ジャパン株式会社
チェーン業界に詳しいわけではありませんが、3社が競合して存在しているということは、どれを選んでも大きな間違いはないと思います。
今回は、バイク屋の親父さんがすすめる、DIDから選ぶことになりました。
理由は分かりませんが、このバイク屋さんが扱いやすいのでしょう。(利益率なども含めて)
バイク用チェーンのサイズを選ぶ
適当なチェーンをアマゾンから買って取り付けようとしても、規格が合わないチェーンは取り付けることが出来ません。
バイク用チェーンのサイズの読み方を説明しましょう。
バイク用チェーンは、525とか630とか、3桁の数字でサイズを表します。
最初の一桁(5とか6とか)は、チェーンピッチ(コマの長さ)を表します。
後ろの二桁(25とか30)は、チェーンの幅(スプロケットが入る幅)を表します。
簡単に図示したので、ご覧ください。チェーンピッチ(P)は、ピッチ間隔をインチ表示(x/8)の分母を省略して表示します。
よく使われるのがP=4、5、6ですが、それぞれ次のような意味です。
- P=4 4/8インチ 12.7mm
小排気量車に使用する - P=5 5/8インチ 15,875mm
標準的なバイクはほとんどP=5のチェーンを使用している - P=6 6/8インチ 19.05mm
使用例は少ない
内リンク内側(W)は、スプロケットに嵌まる幅を意味しており、インチ表示(yy/80)の分母を省略して表示します。
通常使われるのは、W=15、20、25、30ですが、28とか32のような特殊なサイズもあります。
- W=15 15/80インチ 4.76mm
250cc以下のレース用に415として使われる
一般的ではない - W=20 20/80インチ 6.35mm
標準的に使用する - W=25 25/80インチ 7.93mm
やや排気量が大きいバイク用 - W=30 30/80インチ 9.53mm
大型バイクに使用する
V-Strom 650の場合、525が標準サイズですが、バイク屋のおっちゃんは、520を付けてくれました。
スプロケットと一緒に交換したので、在庫の関係でもあったのでしょうかね。
リッターバイクほど馬力もないし、520で十分なようです。
シーリングがあるかないかを選ぶ
バイク用チェーンの選び方を調べるとシールの有無なんて項目がありますが、現代のロードバイクにおいて、シールがないチェーンの選択なんてありえませんね。
シールのグレードは、メーカーごとに廉価版から最高級版まで、3段階ほどに分かれています。
よく分からないけど、命を預ける部品なので、一番良いグレードを選んでおきたいですね。
色を選ぶ
一昔前は、バイクのチェーンなんかみんな鉄色(ほとんど黒)でしたが、最近は、各メーカーで、鉄色、シルバー、ゴールドなどのカラーリングの品種を揃えています。
これは、性能には関係ありません。
だけど、シールがないような低級グレードでは、カラーリングの設定がない場合が多いので、カラーチェーンは一定レベルの高級グレードであることを示す目安にはなります。
管理人としては特にこだわりがなかったのですが、バイク屋の親父が、
「チェーンがきれいだとバイクが立派に見えるよ」
なんて、ゴールドを推すので、言われるままゴールドにしました。
採用を決めたチェーンはこれ
結局、バイク屋の親父が選んだ『DID 520ZVMX-120L G&G』になりました。
バイク屋の価格は、大同の定価どおり25,920円(税込)でした。
ちなみに、ネットで調べてみるとアマゾンでは、14,888円(税、送料込み)でした。
バイク屋の仕入れ値がアマゾンより高いはずもないだろうから、定価との差額の1万円ほどはバイク屋の収益になりますね。
アマゾンで買って、2りんかん持ち込みにすれば、チェーンと前後スプロケット交換の工賃が9,180円なので、1万円ほど安くあがったのかもしれませんが、まぁ、30年以上の長いお付き合いだし、しっかり整備をしてもらうための安全管理費だと思って、バイク屋さんに依頼しました。
スプロケットも一緒に替えるのが原則
前の項に書いたように、30年以上の付き合いのバイク屋の親父さんなので、スプロケットの選定と交換も同時に依頼しました。
金色のチェーンにピカピカの金色のスプロケットでは年齢的に合わないからと、やや抑えたトーンのゴールドスプロケットを選んでくれました。
こうして、組み上がったのが、一番上の写真です。
写真の色が悪くて、チェーンが錆びているようですが、実はゴールドなのです。
ちなみに、前方(エンジン側)のスプロケットは、どうせ見えないから鉄色です。
いきなりロックすることも
2万キロ走行して、チェーンが傷んでいれば、それと同等にスプロケットも傷んでいます。
チェーンの痛み具合とスプロケットの痛みは比例しないという説を唱えている人もいますが、基本は同時交換だと思いますよ。
チェーンが部分的に伸びて、一部が曲がったまま焼き付いて、目幅が不揃いなチェーンが出来ます。
これが、歯が削れてガタガタになったスプロケットとガッチリ嵌まると、走行中に車輪がいきなりロックする危険さえあるのです。
高速道路走行中に車輪がロックしたら確実に転倒するし、投げ出されて即死のリスクがメチャクチャ高くなります。
僅かな費用で安全が買える(危険を減らせる)のだから、チェーンを替えるならスプロケットも替えましょう。
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