
原付バイクの変わりモノ
原付バイクと言うと、現在ではすっかりスクーターがメインになっていますが、過去には面白い車種がいろいろ販売されていました。
原付バイクの歴史から変わりモノを探してみました。
車に積んで遊ぶバイク
ホンダモンキー(1967)
ハンドル折りたたみ機能がついて、車に積んで遊びに行こうというバイクです。
昭和42年、日本でモータリゼーションが芽生え始めた頃、ミニバイクを積んで郊外で遊ぶなんて夢のようなレジャーでしたね。ホンダモンキーは、そんな時代を先取りして作られたモデルです。
ハンドルの折り畳み機構がついているので、ステーションワゴンであれば、積み込むことが出来ました。
今ならワンボックスカーですが、この当時は側面が木目調のステーションワゴンが庶民のあこがれでしたね。
でも、この時代に、実際にステーションワゴンにモンキーを積んで遊べるのは、一部のお金持ちだけで、庶民にとってはカタログを眺めるだけの存在でした。
モンキーは、スーパーカブのエンジンを使い、シンプルな構造なので、いろいろな改造モデルのベースとして使われました。(後述)
ホンダモトコンポ(1981)
モンキーよりもさらに積載性を改良したバイクです。
ホンダシティ搭載用トランクバイクとして四輪車のシティと同時に発売されました。
昭和56年ですから、かなり高い比率で庶民が車を持つ時代になっています。
この時代になると、一般庶民でもホンダシティを買うことができました。
シティは、小型車ですから、モンキーを積み込むのはちょっと無理かも、って、シティのトランクのサイズに合わせて設計したのです。
ホンダ・コレクション・ホールの動画です。
とてもユニークな試みでしたが、シティの付属品的な意味合いが強いためか、あまり売れずに、わずか4年で姿を消してしまいました。
バイクを積んで遊びに行くような場所が、日本にそれほどたくさんあるとは思えませんからね。
ホンダゴリラ(1978)
モンキーは車載を前提とした折りたたみバイクですが、このサイズでまともに走れるバイクがほしいとの要望に答えたのが、モンキーの兄貴分のゴリラです。
ホンダは、猿の名前が好きなのか、モンキー、ゴリラのほかに、ロードスポーツでエイプ(類人猿)と言うシリーズも作っています。
ゴリラが、モンキーの兄貴分と言っても同じ50ccなのです。
モンキーから変わったところと言えば、
- 長距離走行のために燃料タンクを倍くらいに大きくした。
- オートマチックから手動グラッチ仕様のギアに変わった。
- シーが座りやすいように大きくなった。
- フロントとリアに、荷物用のキャリアを付けた。
- ハンドルの折り畳み機構はなくした。
要するに、折りたたみ志向ではなく普通に走れるようなバイクにしたということです。
原付のアメリカンバイク
もはやジョークでしかないのですが、過去には原付のアメリカンバイクがありました。
アメリカンバイクは、その設計と使用目的から、大型エンジンが必要なバイクです。
→ アメリカンバイクはなぜ大型エンジンなのかを定義から考える。
しかし、そんな理念はどっかにおいてきて、面白そうだから作ってみようというエンジニアの悪ノリではないでしょうか。
ホンダJAZZ(1986)
バブル景気の昭和61年ですから、多少無駄でも面白いものはなんでもやってみようと言う時代背景があればこそ開発品種です。
チョッパースタイルのアメリンバイクをイメージして作られています。
雰囲気は、アメリカンそのものですね。
手軽に扱えるので、女性にも人気があったようです。
ホンダマグナ50(1995)
読み方は、「ごじゅう」ではなく「マグナ・フィフティ」と発音します。
平成7年の製品です。
JAZZよりも質感を高めたアメリカンバイクです。
マグナは、最初に750ccが作られ、その後250ccのVツインマグナが販売されました。
結構人気があったようで、50ccまで作ってしまったのが、マグナ50です。
マグナシリーズはVツインエンジンがウリでしたが、さすがに50ccで2気筒は無理だったようで、スーパーカブ系の単気筒エンジンでした。
原付オフロードバイク
ホンダMTX50(1983)
水冷2サイクルエンジンなので、そこら辺の悪路で遊ぶにはとっても良いおもちゃでした。
今はもう無いけど。
排ガス規制で、50ccエンジンの力が削がれてしまったので、遊べる50がなくなってしまったのは残念です。
2サイクルエンジンなんて、現在の環境規制から見ると、ガソリンを撒き散らしながら走っているようのものですからね。
致しかたございませんね。
改造された原付バイク
モンキーダビッドソン
モンキーダビッドソンという、パロディバイクがあります。
もちろんホンダの純正ではなく、町の改造屋さんが勝手に作った代物です。ホンダモンキーに飾り付けて、ハーレーのクルーザー風に仕上げたものですが、見た目の雰囲気は十分で写真では一瞬分からないほどです。
でも現物は小さい(笑)
いくつかバージョンがあるようですが、最初に考えた人のアイディアが素晴らしいですね。
モンキーの白バイ仕様
サイドの書類ケース(パニア)の表記から分かるように、埼玉県警察の白バイです。
もちろん、実際の取締に使うものではなくイベント用の展示品です。
取締りはおろか、ナンバープレートを取得していないので、公道を走ることすら出来ません。
モンキーは、いろいろな改造車のベースに使われます。
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