
650ccニューネイキッド比較!MT-07とZ650ではどちらを選ぶ
全くの管理者の勝手な気分ですが、Z650を選びます。
以下に書いたように、MT-07とZ650は、ほとんど同じような性格のバイクですから、どちらを選んでも大差はありません。
『650ccニューネイキッド比較!MT-07とZ650ではどちらを選ぶ』とタイトルをつけたからには、筆者としての意見を書くべきだと思いまして、無理やりどちらかを選ぶならZ650を選ぶことにします。
理由は、本文をご覧ください。
注目されて人気急上昇中の650ccバイク
日本の道路事情と日本人の体格に最適な大きさのバイクとして注目を集めているのが、ミッドサイスの650ccクラスのバイクです。
現在生産されている国内バイクメーカーの650ccクラスは、次の10機種です。
(ヤマハは688ccですが、650の仲間に入れてしまいました。)
- ホンダ:CB650R、CBR650R
- ヤマハ:MT-07、XSR700
- スズキ:SV650(X)、V-Strom650(XT)
- カワサキ:Ninja ZX-6R、Ninja 650、Z 650、VALCAN S
ネイキッドバイクのカテゴリーは5車種
この中でネイキッドモデルを選ぶとすれば、下の5機種ですね。
- MT-07
- Z650
- SV650
- XSR700
- CB650R
そもそもネイキッドとは、英語の”naked”をカタカナにしたもので、『裸の』『むき出しの』と言った意味合いで、カウルなしのバイクを指しています。
カウルがないバイクがすべてネイキッドかと言うとそうでもなく、アメリカンバイクやオフロード(デュアルパーパス)など、特徴あるバイクは含みません。
つまり、ネイキッドバイクとは、昔からあるオーソドックスなスタイルのバイクと言えます。
これらの中で、SV650、XSR700、CB650Rが丸目のヘッドライトで、オーソドックスなスタイルなのに対して、MT-07とZ650は、ヘッドライトが異型であることに加えて、アグレッシブなスタイルになっています。
従来のオーソドックスなスタイルのネイキッドとは少し雰囲気が違うMT-07を、ヤマハでは『ハイパー ネイキッド』なんて呼び方をして旧来のバイクと区別しようとしています。
管理人はこれを『ニューネイキッド』と名付けてみました。
ニューネイキッド、MT-07とZ650の比較
写真を見ると同じような格好をしていますね。
ニューネイキッドは、ちょっと前には『ストリートファイター』なんて呼ばれたこともありましたね。
ヤマハでは、MT-07のコンセプトとして、クール・アーバン・スポーツなんて呼んでいます。
アーバン、つまり都会でも走りを楽しむってことでしょうか。
カワサキでも、『低中回転域で力強いトルク感とダイレクトなスロットルレスポンスが得られる』なんて表現しており、MTシリーズの”Master of Torque”と完全にかぶっています。
乗り味は
両者とも、市街地でも楽しめる、普段着感覚のバイクの楽しさを売りにしており、ブンブンぶん回すような乗り方をするバイクではありません。
コンセプトがほぼ完全にかさなるので、乗り味もほぼ同じと言って良いでしょう。
Z650は、常に従順な反応で、ご主人様のご意思に従いますって感じで、とにかく扱いやすいバイクです。
クラッチの操作感を軽くするアシスト&スリッパークラッチと抜群の足つき性の良さのせいで、街なかでも信号待ちでも、あまりストレスを感じないで走れますね。
MT-07も基本的には、Z650と変わりません。
アーバンスポーツと謳っているだけに、街なかでもキビキビ走り快適です。
敢えてZ650との差を書けば、高速道路ではMT-07の方が元気が良いかな。
でも、疲れにくく安定して走りやすいのはZ650.
いずれにしても大した差ではありません。
駆動系の比較
項目 | MT-07 | Z650 |
---|---|---|
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ | 水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ |
総排気量 | 688cm3 | 649cm³ |
内径×行程 | 80.0mm×68.5mm | 83.0mm×60.0mm |
圧縮比 | 11.5 : 1 | 10.8:1 |
最高出力 | 54kW(73PS) /9,000rpm | 50kW(68PS) /8,000rpm |
最大トルク | 68Nm(6.9kgfm) /6,500rpm | 65Nm(6.6kgfm) /6,500rpm |
タイヤ(前) | 120/70 ZR17M/C (58W) | 120/70 ZR17M/C 58W |
タイヤ(後) | 180/55 ZR17M/C (73W) | 160/60 ZR17M/C 69W |
総排気量が688ccと649ccなので、39ccの差がありますが、気になるほどの差はないと言っていいでしょうね。
粘り強く、扱いやすいエンジンだと思います。
タイヤは、前輪は同じですが、後輪はZ650は細身のタイヤを履いています。
リム径はどちらも17インチで、ZRが示すようにラジアルタイヤです。
MT-07の後輪は、180/55だから、横幅180mmで扁平率が55%(高さ=99mm)のタイヤです。
Z650no後輪は、160/60だから、横幅160mmで扁平率が60%(高さ=96mm)で、MT-07のタイヤよりも細身です。
このタイヤ選びの差が、わずかながら、個性を表現しているのかもしれません。
MT-07が若干スポーツ特性を優先しているとか、Z650 がオールマイティな操作性を優先しているとか。
どちらを選んでも、ロクゴークラスの大型バイクにしては、軽量で扱いやすく、街乗りでは実用的だし、ツーリングに出かければアクセル開度に反応して素敵なクルーズを体験できます。
街なかはもちろん、高速走行においても、パワー不足を感じることはありません。
寸法の比較
項目 | MT-07 | Z650 |
---|---|---|
全長 | 2,085mm | 2,055mm |
全幅 | 745mm | 775mm |
全高 | 1,090mm | 1,080mm |
シート高 | 805mm | 790mm |
軸間距離 | 1,400mm | 1,410mm |
車両重量 | 183kg | 187kg |
キャスター | 24°50′ | 24°00′ |
トレール | 90mm | 100mm |
車体の寸法も、ほとんど差がありませんね。
車両重量は、Z650が4kg重いのですが、比率にして2%弱ですから殆ど感じません。
むしろ、シート高さが15mm低いので、またがったときの取り扱い性は、Z650 が軽く感じるほどです。
シート高さ15mmは、つま先の先端がやっと着く人が、親指の腹まで着くことになりますから、なかなか馬鹿にできません。
身長が160mm以下の人なら、違いが影響するかもしれませんので一度またがってみると良いでしょう。
身長170mm以上あれば、どちらもベタ足状態になると思います。
まとめ
価格面ではほぼ同等
MT-07が税込価格で78万円で、Z650 が79万円です。
1万円の差がありますが、これはほとんど同じと見て良いでしょう。
値引き交渉で簡単に逆転する程度の差でしかありません。
だから、値段はどちらかを選ぶ根拠にはなりにくいと思います。
ただし、中古車としてのリセール価格は、Z650が若干高い傾向があります。
長く乗るなら関係ありませんが、乗り換えを考えるなら、Z650のほうが高く売れるかもしれません。
性能面では好みで
どちらも、シティライディングにおいては実用的で、意図した操作に従順に従ってくれるので、全く不安を感じません。
ちょっと郊外に出て、ワインディンに入るとややスポーツ感を感じさせるのがMT-07で、安定した操作性を維持するのがZ650と言う感じです。
しかし、この微妙な差を感じ取れるのは、ある程度乗りこなしたレベルに達した人で、初級者には全く差を感じないでしょう。
高速道路では、MT-07は高速回転でマシン特性が変わるようなイメージがありますが、Z650は全回転域でゆったりした運転感覚で疲れを感じることが少ないでしょう。
この辺は好みによるところですが、アメリカンバイクやスーパースポーツのような極端な個性の違いはありませんから、どちらを選んでも、大差はありません。
結論としてZ650を選ぶ
ほとんど同じ特性の2台のバイクですが、使いやすさの実用性ではわずかにZ650が優勢、スポーツ感覚であればMT-07と言う評価をしました。
ここではネイキッド バイクとしてどちらを選ぶべきかと問えば、使いやすさの実用性だろうと判断して、Z650を選びます。
スポーツ特性を求めるなら4気筒のマルチを選ぶべきであり、ネイキッドバイクに求める項目ではないように思います。