
日本の道路事情に合致して、日本人の体格にもピッタリだということで、ミッドサイズのバイクが見直されています。
スズキの650ccバイク!ネイキッドならSV650が圧倒的におすすめ
ミッドサイズバイクの中でも650ccクラスに注目が集まっており、現在(2019年4月)、国産のバイクメーカー4社では次の10種類の650バイクが生産されています。
- ホンダ:CB650R、CBR650R
- ヤマハ:MT-07、XSR700
- スズキ:SV650(X)、V-Strom650(XT)
- カワサキ:Ninja ZX-6R、Ninja 650、Z 650、VALCAN S
アメリカンバイクとか、高出力のスーパースポーツ、あるいはアドベンチャーツアラーのような目的性の強いバイクを除いて、汎用バイクを選ぶとすると、バイクらしいバイクとしてネイキッドが選ばれます。
上記10車種の中で、ネイキッドバイクを選べば、
- ヤマハ XSR700
- カワサキ Z650
- スズキ SV650
この3車種になります。
(ネオ・ネイキッドとの区別が微妙ですが、ここは管理者の主観です)
この中で、パワーと価格、実用性のすべての面で最もバランスがよい、スズキ SV650について解説します。
正確にはSV650 ABSですが、面倒なのでSV650で通します。
スズキ SV650のユーザー目線のメリット
クラス最安値の魅力
インライン4の機種では100万円を超える650ccクラスのバイクですが、SV650は100万円を大きく下回って、消費税抜き 684,000円です。
消費税が8%なら73.9万円、消費税が10%なら75.2万円になります。
これは、ホンダの400ccクラスよりも安いんですよ。
とにかく、懐にやさしいので、まず最初におすすめ候補にあがります(笑)
スリム軽量コンパクト
上に10機種を並べましたが、その中でSV650の引き回し易さはナンバーワンです。
車両重量が軽い
スズキの開発責任者が目指したのは、SV650の軽量化でした。
200kgを切ると取り回しの印象がだいぶ変わります。
SV650の車両重量は、197kgですから、狭い庭の車庫の出し入れがかなり楽になります。
先行モデルのGRADIUSよりも軽くすることを開発命題として掲げ、鉄板の厚さを0.1mm薄くするなどの細かな努力の結果として200kg未満を達成しました。
(発売当初は、196kgでしたが、その後公式な重量は197kgになっています。)
リッターバイクでは、230kg~250kgくらいが普通なので、200kg以下なのはありがたいです。
狭い庭先の駐車スペースからの出し入れは、SV650が一番楽だと思いますよ。
いや、ホントに。
足つき性が良い
足つき性と言うと、シート高さを連想しますね。
シート高さは790mmで、アメリカンタイプを別にすれば、SV650のシート高はこのクラスで最も低いのです。
だから、足つき性が良いのは当然なのですが、SV650の場合は、車幅が狭いのでさらに有利なのです。
その秘密は、V型エンジンなので幅を取らず、ほとんど単気筒マシンのようにスリムであることです。
だから、足つき性の良さはピカイチです。
身長が160センチの女性でも、両足の指の腹まで接地できますから、170センチ以上の人なら、ほぼベタ足に近いでしょう。
この安心感は、自分のバイクを所有する際には、他の性能を圧倒するほどの価値があるのです。
意外な高性能
意外なとは失礼な表現ですが、最高出力は76psもあり、4気筒マルチを除けば、他の2気筒マシンを押さえて650クラス最高の出力なのです。
例えば、ライバル車のXSR650が73ps、Z650が68psなのです。
90°Vツインエンジンは、17年間の実績があり信頼性は抜群。
9,000rpm付近まで直線的に吹け上がるので、その軽快な雰囲気は実に快適です。
ハンドルのキレもいいですね。
リアタイヤが、このクラスのバイクでは180サイズを履いているのが普通なのですが、SV650は細身の160サイズなのです。
細身のタイヤが、コーナリングを邪魔せず、ライダーの意に沿った動きを忠実に再現してくれます。
この辺で、スズキが公開しているコマーシャル動画を見てみましょう。
わずか15秒の短い動画です。
スズキXS650のカタログ的特長
普遍的なオートバイのスタイルを堅持
バイクと言うかオートバイとはこんな形をしているものだという見本のようなオーソドックスなスタイルに魅力を感じ流人は多いはずです。
最近ではむしろ珍しい存在の丸目のヘッドライトがバイクらしさを醸し出しています。
細めのリアタイヤが、前後のバランスを壊さずバイクらしいシルエットを整えます。
派手なカウルも付いていないので、『オートバイ』という言葉がぴったりです。
(派生機種のSV650 Xには、カフェレーサータイプの小さな『ヘッドライトカウル』が付きます。
バイクは、趣味の乗り物ですから、スタイルが気にいるかどうかは、最も大きなポイントになります。
ネイキッドバイクは、オーソドックスなスタイルなので好き嫌いの幅はあまり大きくないと思いますから、特にこだわりがない人にとっては、第一選択肢になるべきバイクですよ。
信頼の90°Vツインエンジン
17年間の歴史に裏付けられた信頼性のあるエンジンが採用されています。
ツインエンジンですが、点火プラグを4本使ってスムーズな出力特性と高い燃費性能を示します。
Vツインの独特のドコドコ鼓動感は3,000rpm以下の低回転で感じられますが、5,000rpm以上ではほとんど感じられません。
高速走行では、あまり振動を感じません。
4,000rpmから、ストレスなく一気に1万rpmまでなめらかに上昇するので、追い越し加速はどの回転数からでも可能です。
アンチロックブレーキングシステム
もはやABSが用語として定着していますが、アンチロックブレーキシステムが標準装備されています。
雨天の場合や悪路での安心感が強まります。
ABSは、雪道などで制動力を強める装置ではないので、過信せずに常に安全運転に努めてください。
フルデジタルパネル
インストルメントパネルは、写真のように、フルデジタルの液晶パネルです。
上の黒い帯はタコメーターで、中央の大きな3桁の数字が速度計、右側の一桁の数字がギアポジションを示します。
デジタルメーターは好みが分かれるところですね。
ネイキッドバイクなら、2個の丸メーターなんて要望もあるかもしれませんが、伝達情報を多くするためにフルデジタル・インストルメントを採用したようです。
その他の機能
SV650 ABSには、今までに見たことのない新しい機能が付加されています。
エンスト阻止システム
メーカーの呼び名は『ローRPMアシスト』と言います。
要は、超低速走行時にエンジンが止まりそうになると、自動的にエンジン回転数を上げてくれるので、エンストの心配がないと言う装置です。
初心者にとってはありがたい仕組みかもしれませんが、それほどの必要性があるとも思えませんがねぇ。
でも、渋滞中の超低速やUターン時のエンストのリスクを回避できるのなら、付いていて悪いことはないですね。
ワンプッシュスタート
スターターボタンをチョイと押せば、セルモーターがエンジンがかかるまで勝手に回る仕組みです。
通常は、人間がセルモーターのボタンを数秒間押し続けて、エンジン音を聞きながら、エンジンが回り始めたらボタンから手を離します。
ワンプッシュスタートでは、ほんのワンタッチでOKということですが、スターターボタンを3秒間押し続けることが、苦痛とは感じられないのだが。
派生車種のSV650Xとスタンダードとの違いは
『SV650 ABS』がネイキッドバイクの代表のような存在ですが、派生車種として『SV650X ABS』があります。
SV650Xは、駆動部分などの基本的な構造は全く同じで、メーカーがカフェレーサー風にドレスアップしたバイクです。
価格差は、標準のSV650が738,720円(8%税込み)に対してSV650Xは781,920円なので、43,200円のアップになっています。
標準車との違いは、次のような点です。
ヘッドライトカウル
下の写真のように、ヘッドライトの周囲に、小さなビキニカウルが付きます。
いかにも、カフェレーサーという雰囲気ですね。
セパレートハンドル
標準のSV650がバーハンドルに対して、SV650Xはセパレートハンドルになります。
乗車姿勢の前傾姿勢がやや強くなりますから、購入する前に、実際に跨ってみることをおすすめします。
下の写真は、標準のSV650のバーハンドルです。
上のセパハンとの違いが分かりますよね。
その他
- タックルロールシート
段々模様が付いたタックルロールシートのパッセンジャーシート部分に『スズキ』のロゴが入ります。 - フロントフォークアジャスターがつきます。
- 燃料タンクの模様が変わります。
- 車体色はグレーだけです。
タックルロールシートはオプション用品として税込みで34,560円です。
これだけのドレスアップをあとからやると、43,200円ではできないので、このデザインが好きなら、SV650Xを選ぶのもアリでしょう。
SV650XとSV650との差額がわずかに43,200円の設定がお買い得であることは明らかです。
まとめ
スズキSV650 ABSは、650ccのネイキッドバイクとしては、価格面、性能面で最もバランスの取れたバイクです。
特別な用途を限定することなく、日常的な生活の足から、ロングツーリング、ワインディングロードまでそつなくこなすので、オールマイティなバイクです。
アメリカンバイクやアドベンチャーツアラーのような強い目的意識が感じられないので、万人向けのバイクとも言えます。
ですから、特別な目的意識がなく、いろいろな用途に使えるミッドサイズバイクを望むならば、SV650を選んでおけば間違いありません。