
バイクで高速道路を走るときには、一般道とは違った注意が必要です。
大きなポイントは2つです。
- 走行速度が速いことに対する注意点
- 走行距離が長いことに対する注意点
この2点を踏まえて、具体的な注意事項を整理してみました。
走行前の準備事項
車両の排気量は125cc以上であること
一般的には、125ccバイクというとピンクナンバーの原付二種を連想しますが、あれは実際には124ccとか124.5ccとかで、125cc未満の設計をされているので、高速道路は走行できません。
125ccのバイクは販売されていないので、市販のバイクなら実際は150cc以上になるでしょうね。
タイヤの空気圧を点検する
高速走行では、一般走行に対して、タイヤに掛かる負荷がとても大きくなるし、ひと度タイヤがダメージを受けると転倒して死亡する危険がありますから、空気圧点検は必ずやってください。
正式にはタイヤゲージで空気圧を測定するのですが、慣れてくれば、つま先でタイヤを蹴飛ばして反発を見るだけの簡易チェックでもやらないよりはずっとマシです。
ガソリン量を点検する
高速走行に望む場合は、一般道路よりも長距離を走ることが多くなりますから、燃料チェックを必ずやりましょう。
高速道路では、およそ50kmごとにガソリンスタンドが設置されていますが、場所によってはもっと離れている場所もあります。
特に、アメリカンタイプでタンクを小さくしたファッショナブルなバイクでや、オフロード車では、満タンにしても150kmほどしか走れないような車種もありますから、燃料チェックをしっかりしておきましょう。
↑↑↑この手のアメリカンバイクは走行距離が短いので注意しましょう。
高速道路でガス欠になると、ロードサービスを待機している間も危険が迫っています。
待機中は、バイクを路肩に停めて、自分自身はガードレールの外側に出て待ちましょう。
積載物の固定状態を確認しましょう
高速道路でトラックからの落下物が多いのは知られていることですが、バイクでも落下させることがあります。
長距離走行では何かと荷物が増えるので、荷台に固定することになりますが、PP紐などでは緩んでしまいます。
緩まないように必ずゴムで縛っておきましょう。
私自身の経験で、GIVIのトップケースを高速道路に落としたことがあります。
その顛末記はこちら
⇒ GIVIのトップケースが高速道路で落下した事件!半ロックに注意!!
バタつかない衣装を着る
田舎の山道なら風を感じながら走るのが快適ですが、高速走行はなんといっても風との戦いです。
風でバタつくような生地の服を着ていると、疲れが倍増します。
これほどの正式なレーシングスーツとは言いませんが、革製のジャケットがオススメです。革製であれば耐摩耗性も高いので、万一転倒した場合でも、擦過傷を軽くしてくれます。
ETCカードの確認をする
ETC装着車の場合は、カードの有効期限とカード装着を確認しましょう。
バイク用のETCは高額ですが、バイクにこそ必要な装備です。
高速道路の料金所で、高速道路利用券と小銭を出して支払うのがとても大変ですから、ノンストップのETCのありがたさは四輪車の百倍以上です。
高速道路を利用するなら、ETCは装着しておきたいところですね。
ヘルメットはフルフェイスかシールド付きが必需品です
一般走行ならば、裸眼でもまぁ走れないことはありませんが、高速道路走行では涙が滲んできて見えなくなります。
イージーライダーのようなサングラスでは、せいぜい時速80km辺りまでで、100kmになるととても無理です。
高速走行では、フルフェイスのヘルメットか、きちんとシールドが付いたジェットタイプのヘルメットを着用しましょう。
半キャップのヘルメットは 125cc以下限定なので高速道路では使用してはいけません。
(法律ではなく業界の自主規制ですが、身を守るためです)
後方確認がしにくいので、わたしはフルフェイスではなくジェットタイプを愛用しています。
ちょっと高額ですが頭を守るためにスネル規格合格品を使用しています。
紐式スニーカーは危険です
紐式スニーカーにまつわる惨事がたくさんアップされています。
・こけた時に地面にすられてスニーカーが溶けて、皮膚にべったり焼き付いて手術する破目になった
・立ちゴケに近い程度の軽い転倒で、くるぶしを複雑骨折した
・つま先をつぶされた
などなど。
ロングブーツとまではいかなくても、くるぶしをきちんと守ってくれる専用の靴がいいですね。
わたしが実際に履いているのがこれ、『エルフ シンテーゼ14』です。
くるぶしをしっかり守ってくれている感じがしていいですよ。
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雨具を用意すること
長距離を走ると予想した天候が変わることがよくあります。
特に、山岳路のツーリングでは雨具は必需品です。
短距離なら濡れても我慢ができますが、長距離の高速走行で身体が濡れると夏でも寒いです。
雨具(かっぱ)は必ず用意して行きましょう。
走行中の注意事項
横風に注意しましょう
特に注意が必要なのは、トンネルの出口と長い橋の上です。
高速走行中のバイクは、浮き上がるのではないかと思うほど軽く感じますから、横風の突風には非常に弱いです。
しかも、当たり前だけど、タイヤが2個しかないので容易に転倒します。
ニーグリップをしっかりして、バイクと身体を一体化させて安定な状態を保ちます。
しかし、横風対策の基本は何といっても速度を落とすことです。
速度に注意しましょう
高速道路を走れるバイクに取っては、法定速度の時速100kmは単なる通過点に過ぎません。普通にアクセルを捻ってシフトアップしていけば、簡単に時速100kmを超えてしまいます。
だから、意識して速度超過を抑制しなければなりません。
自分のバイクの限界に挑戦したければ、サーキットに行ってください。
決して高速道路で限界速度のテスト走行をしないように。
また、法定速度を超えて走ると『覆面パト』に捕まりますよ。
バイクの走行台数は、4輪者の2%ほどしかいませんが、覆面パトに捕まっているバイクの台数は4輪車と同じくらいだと思っています。
実は、わたしも2回捕まっています(>_<)
覆面パトカーをナンバー以外で見分ける方法を紹介していますが、注意散漫にならず、警察の指示には素直に従いましょう。
眠くなったらすぐにパーキングで休憩を
日本の高速道路を走っている限りは、アクロバチックな走行技術を披露する場面はありません。
単調にトロトロと走り続けるだけですから、眠くなります。
「バイクでも眠くなるのか」
なんて質問をされますが、眠くなります。
乗車姿勢が決まっているので、体を動かす余裕がなく、固まってしまうのですね。
眠くなると走行経路がジグザグになってきます。
(もちろん走行車線の範囲の中でですが)
こうなったら危険信号です。
一番近いパーキングで休憩を取りましょう。
バイク乗りは、無茶苦茶走り続ける傾向があるので、意識して休憩をとりましょう。
少し休んで、背伸びをするだけでもだいぶ回復します。
料金所ではローギアに入れたままエンジンを切る
ETC装着車であれば関係ありませんが、バイクで料金を払うのは大変です。
料金所の前で停車したら、ニュートラルを探さないで1速に入れたままエンジンを止めましょう。そうすることによって、サイドブレーキの代わりになって、坂道でも動くことがありません。
料金所に入る前にパーキングなどで、小銭を用意して高速利用券と一緒に、取り出しやすい場所(タンクバッグやウエストポーチなど)に準備しておきましょう。
大型トラックの前を走らない
大型トラックは急に止まれません。
前走車に何かあったり、自分がこけたりした時に、後ろから迫ってくる大型トラックは、確実にあなたを潰しにかかります。
もしも、大型トラックが後ろに付かれてしまったら、しかも車線変更も出来ない状況だったら、全走車の左後方について、非常時には左側の路側帯に逃げられるように心の準備をしておきましょう。
トラックのバックミラーに写る位置を走る
高速道路走行の基本は、車間距離を大きく取ることですが、大型トラックの後ろについてしまったら、真後ろにいてはいけません。
落下物の直撃を受けてしまいます。
大型トラックにはルームミラーがないので真後ろは見えません。
後ろにいることを認知させるために、左側か右側に寄って、バックミラーに写る位置にいましょう。
非常時には、回避行動を取ることが出来ます。
渋滞時に路肩は走らない
渋滞時にこそ、バイクの価値が発揮できると思っているのですが、本当はすり抜けは違反のようですね。
例えば、周囲の車が時速30km程度で走行しているときに、70kmくらいですり抜けするのは違反です。
ただし、路上の車両が完全に停止している場合は、障害物とみなしてすり抜けてもいいようですよ。(これは違反になるようです。下のコメントで@さんから誤りを指摘されましたので、訂正します。)
これは間違いですね。相手方車両に運転者が搭乗しており速やかに発進できる状態の場合は路上障害物とはみなされず、当然、はみ出し追い越し禁止区間は追い越し禁止、すべての路上でのすり抜け追い越しは違反となります。
いずれの場合も、路肩は走行禁止なので、走ってはいけません。
先方で待ち受けているパトカーに捕まっている人を何度も見ています。
二人乗り(タンデム)について
高速道路での二人乗り走行には、運転者が次の2つの条件を満たさなければなりません。
- 年齢20歳以上
- 大型自動二輪車免許又は普通自動二輪車免許を受けていた期間が通算3年以上
二人乗り走行に対する注意事項ですが、こんなブログ記事を参考にしようとしているあなたは、止めておいたほうがいいでしょうね。
二人乗りは、パッセンジャー(後ろに乗る人)との気持ちのバランスが大事です。
また、運転技術自体も注意点が変わってきます。
特に発進と停止の時ですね。
「そんなことは分かっているさ、もういい、あんたの話は分かったよ」
そういう人だけが、二人乗りにチャレンジしてください。