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リターンライダーがトライクに乗ってはいけない訳とは

リターンライダーがトライクに乗ってはいけない訳とは

リターンライダーがトライクに乗ってはいけない訳とは

トライクとは

トライクという乗り物があります。

バイクとは、2を意味する『bi-』と車輪を意味する『cycle』を合成して『bicicle』から、『bike』になりました。

3を意味する『tri-』で『bi-』を置き換えると『trike』になります。
という訳で、三輪バイクのことをトライクと言います。

一般的なトライクは、こんな形をしています。

トライクの例 画像出典:gordon.co.jp

トライクの殆どは、上の写真のように市販のバイクを改造した後二輪の三輪車です。

サイドカーは二輪免許だがトライクは普通免許

バイクに側車を付けたサイドカーとトライクは、同じような3輪の乗り物ですが法律上は別物になっています。
その違いは何でしょうか。

「50 cc 超のトライクは道路運送車両法上では側車付二輪車とし、道路交通法上では普通自動車とみなす」
これが1999年の運輸省の見解です。

ここで、「普通免許のトライク」と「二輪免許のサイドカー」の区別をはっきりしておきましょう。

トライクとして、普通免許が必要な車両は次のような特徴を有しています。
トライクは二輪免許では運転することが出来ません。

  • 側車を分離したときオートバイとして単独で運転できない車両
  • 運転席側の側面が開放でない(ドアがある)車両
  • 走行軌跡が3本になる車両

3輪構造のバイクでも、側車の部分を取り外して単車部分だけで走行できる構造のサイドカーの場合は、オートバイの扱いとなり二輪免許が必要だし、ヘルメット着用義務もあります。

ところが、サイドカーのような格好をしていても、後輪が動輪軸としてつながっている場合は、トライクになります。
上の写真のウラルは、まるでサイドカーの格好をしていますが、側車側の車輪も駆動軸につながっていて後二輪が駆動輪になりますから、トライクなのです。
トライクだから、バイクの格好をしているけれども普通免許が必要でヘルメット着用義務がありません。
二輪免許では運転できません。

Wikipedia に、分かりやすい図があったので、お借りしてきました。

先述したように、側車を取り外してバイク(単車)として走行可能であることが、最も分かりやすい二輪車(トライクではない)の条件になります。

トライクの範疇ながら「特定二輪車」として、二輪車扱いになるバイクがあります。
たとえば、ヤマハの「トリシティ125、155」などですが、詳しくは下のリンクをご覧ください。
>>三輪バイクは免許制度では自動車なのかバイクなのか

トライクの事故

上に写真を示したウラル(写真の機種ではありません)で悲惨な事故がありました。

2017年8月23日、札幌市南区で42歳自営業の男性が運転するウラルが、下りカーブを曲がりきれず道路左側の3メートル下の林に転落しました。
タンデムシートの妻(39歳)が死亡。
サイドカー部分に乗っていた次女(13歳)が一時意識不明の重体。
運転していた男性も首や胸を骨折して重症です。
ヘルメットの着用義務はなく、3人はいずれもヘルメットをかぶっていませんでした。

家族を自慢のトライクに乗せて、楽しいドライブだったはずですが、一瞬にして悲惨な事故になってしまいました。

男性は、運転操作を誤ったと言っていますが、トライクの運転特性への理解が不足していたためにカーブを曲がりきれなかったものと思います。

 

警察庁によると、トライクの事故は2017年1~7月に全国で32件発生し、37人が負傷しています。
2013年には岩手県葛巻(くずまき)町で、トライクに乗った60代の夫婦がツーリング中に民家の壁に衝突し、2人とも死亡する事故が起きました。



トライクは転倒しやすい

バイクは、カーブを曲がるときに車体を傾け(リーン)て重心位置を車軸から外さないようにライダーが調整しています。
自動車の場合はリーンが出来ませんが、車軸幅(トレッド)の内部に重心が収まっていれば転倒はしません。

画像出典:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140624/1058646/?P=4

ところが、トライクはリーンが出来ない上に、四輪車であればコーナリングのときに最も荷重がかかる外側の前輪がないのですから、重心位置が外れて簡単に転倒してしまうのです。

画像出典:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140624/1058646/?P=4

 

要するに転びやすい乗り物なのです。
戦後のどさくさ時代に走っていたオート三輪はカーブで簡単に転倒していました。
また、遊びのツールとして一時流行した3輪バギーも転倒事故が多く今では廃版になっています。

リターンライダーにトライクを勧めない理由とは

リターンライダーの皆さんは、若い頃にバイクに乗っていたはずです。
バイクの運転感触を身体が覚えているんですね。

バイクの運転感触とは、コーナーでは倒しこんで曲げるということです。

一部の例外はありますが、トライクは倒し込み(リーン)が出来ません。
この点はバイクと全く違いますから、身体に染み付いた運転感覚がかえって邪魔をするのです。

トライクは倒しこみをしないで、ハンドルを切る操作でコーナーを曲がります。
要は、4輪の自動車と同じことなのですが、これがなかなか理解できないのです。

ついつい、内側に身体を倒してしまうのですが、当然のことながら車体は傾いてくれないし、曲がりきれなくて大回りになってしまいます。
その結果、コーナーの外側が崖だったりすると転落事故を引き起こします。
あるいは、左折コーナーで対向車線にはみ出すと正面衝突という悲惨な結果になってしまいます。

無理に急ハンドルを切ると、内側後輪が浮き簡単に外側に転倒します。
4輪車であれば踏ん張ってくれるはずの、外側の前輪がないから重心位置が外にずれて転倒してしまうのです。

この感覚の限界は、何度か後輪を浮かすようなハイリスクのコーナリングを経て初めて体感できるものです。
そのためには、若い感性が必要です。
いい年になったリターンラーダーには、困難な任務と言って良いでしょう。

リターンライダーの中には、2輪車では転倒が心配だけど3輪車のトライクなら転ばないから安心だと、勘違いをしている人が少なからずいるようです。
停止中と直進走行では安定しますが、トライクのコーナリングは、難しいことを理解してください。
しかも、トライクはヘルメットが要らないから楽だよね!と。
バイクと同じで身体がむき出しの乗り物ですから、自己防衛のためにヘルメットをかぶるのは当然のことです。
こんな勘違いをする人は、絶対にトライクに乗ってはいけません。

日本の法制度が現実にマッチしていないから、「側車付二輪車」でありながら「普通免許」などと不可解な現象が発生しているのです。
トライクは、普通自動車とは全く異なる異質な乗り物です。
外観は似ていますが、二輪車とも違います。

若者が、新しい乗車感覚を磨きながらトライクに挑戦するのは大いに結構です。
だけど、50歳を過ぎたリーターンライダーが、未経験のトライクに乗るのはとても危険な行為です。

リターンライダーはトライクではなくバイクに乗りましょう。

バイクの種類を10個のカテゴリ分けして詳しく解説

バイクの種類の解説をまとめたページです。
アドベンチャーツアラー、アメリカン&クルーザー、スクーター、原付一種&原付二種、オフロードバイク、巨大バイク、スーパースポーツ、ネイキッドバイク、レトロ&クラシック、その他



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