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三輪バイクは免許制度では自動車なのかバイクなのか

三輪バイクは免許制度では自動車なのかバイクなのか

三輪車は、自動車なのかバイクなのか

ヤマハが前二輪の三輪バイク、トリシティ125を発売して、三輪バイクに注目が集まっています。

トリシティ125 画像出典:yamaha-motor.co.jp

トリシティは125は125ccのスクーターなので、普通二輪免許(小型オートマ限定)以上の運転免許を所有していれば公道で運転することが出来ます。

三輪車と言ってもいろいろな種類があり、形状や大きさによって必要な免許証の種類が違います。

オート三輪は自動車です

戦前から戦後にかけて、オート三輪という貨物車がたくさん使われていました。

オート三輪 撮影場所:中国、大連市

さすがに、現代の日本では見かけることがないので、上の写真は中国で撮影しました。
中国に限らず、東南アジアの国々では、未だにオート三輪が活躍していますが、こいつはすぐに横転するので危険です。

オート三輪は、戦前は免許なしで運転できたのですが、戦後の昭和23年から「小型免許(三輪限定)」が制定され、その後「自動三輪車免許」に変わり、昭和40年に普通免許に統合されました。
ですから、現在、このオート三輪を運転するためには、普通免許が必要です。

では、オート三輪と上のトリシティ125の免許制度を分けているものは、排気量だけでしょうか?

ヨーロッパで人気の前二輪スクーターは

例えば、下の写真は、ヨーロッパで人気のイタリア製ジレラ、フォッコ(炎)ですが、2009年までは普通自動車扱いだったので、普通免許で乗れたのです。
逆に、二輪免許では、たとえ大型二輪免許でも乗れませんでした。

GILERA FUOCO500ie 画像出典:scs-tokyo.co.jp

しかし、法令による解釈が変わって、現在ではバイク扱いになったので、排気量に応じた二輪免許を所有していないと運転することが出来なくなりました。
スクーターなので、オートマ限定でも運転できます。

実は、三輪の自動車については、運転免許制度上は歴史的に、三輪自動車から移行して四輪自動車扱いだったのですが、一部の三輪車をバイク(2輪)扱いにすることを、2009年に定めたのです。



特定二輪車とは

道路交通法施行規則の一部が改正され、2009年(平成21年)9月1日から、一部の三輪自動車を特定二輪車としてバイクとして扱うことになり、運転に必要な免許が変わりました。

  • 特定二輪車の対象となる三輪の自動車は、次のすべての要件を満たすものです。
    ・3個の車輪を備えていること。
    ・車輪が車両中心線に対して左右対称の位置に配置されていること。
    ・同一線上の車軸における車両の接地部中心点を通る直線の距離が460ミリメートル未満であること。
    ・車輪および車体の一部または全部を傾斜して旋回する構造を有すること。

4つの条件を整理してみましょう。
法律用語は硬いので、易な言葉で書き換えてみました。

条件1:車輪が3コあること

これは説明の必要がありませんね。
タイヤが3本付いている三輪の自動車です。

条件2:車輪位置が左右対称であること

人が座る部分をボディとしたときに、中央の軸に対して、車輪の位置が左右対称であることが求められています。
図示すると、下図のようなことです。

左右対称であれば、前二輪でも良いし、よく見かけるトライクのように後二輪でも構いません。なお、サイドカー(側車)付きのバイクも三輪ですが、側車を取り外して二輪車として機能する場合は、元々のバイクと見做され、特定二輪車には該当しません。

 

条件3:2輪間の幅(トレッド)が460mm未満であること

あんまり幅がひろいのはバイクじゃないよということなのでしょうか。

タイヤとタイヤの感覚、通称トレッドが460mm未満であることが,特定二輪車の3つ目の条件です。ヤマハ・トリシティ125は385mm、GILERA FUOCO500ieとPiaggio MP3 500ieは、ともに推定430mm程度なので、特定二輪車に該当します。

条件4:カーブを曲がるときに内側に傾くこと

バイクは、コーナーを曲がるときに遠心力とのバランスをとるために内側に傾けて走行します。
これをリーンと言いますが、これがバイクの最大の特徴ですから、リーン出来ない乗り物はバイクではないということなのでしょう。

コーナリングで内側に傾くことが、特定二輪車の4つ目の条件です。

この三輪車は、二輪免許か普通免許か?

ヨーロッパの前二輪三輪スクーター

前出のGILERA FUOCO500ieと下の写真、Piaggio MP3 500ieは、両方共4条件を満たしていますから、特定二輪車になります。
すなわち、大型二輪免許(オートマ限定を含む)が必要になります。

Piaggio MP3 500ie 画像出典:piaggio.com

なお、Piaggio MP3には、250ccバージョンもあるので、こちらは普通二輪免許で運転できます。

改造されたトライクは

大型バイクをベースにして、トライクに改造するメーカがあります。
下の写真は、トライク大手のゴードンの商品ですが、比較的小型のカワサキ・エリミネーター250ccをベースにしたトライクです。

トライクの例 画像出典:gordon.co.jp

サイトの記載によると

トライクは三輪バイクでありながら、運転方法はバイクと異なり、 走行時のカーブや右左折においてはむしろ普通自動車に近いと言えます。

と説明しているので、おそらくリーンはしないのでしょう。

リーンの有無はともかくとして、比較的小型と言っても全幅1200mmから判断して、タイヤ間隔(トレッド)が460mm以下とは考えられません。
すなわち、特定二輪車には該当しないので、四輪の普通免許が必要です。

三輪の自動車は、高速道路の法定速度が100kmではなく80kmなので、合わせてご注意ください。
たとえ、1600ccのハーレーをベースにしても、1800ccのゴールドウイングをベースにしても、法定最高速度は時速80kmなのです。

Can am Spyderは

カナダの会社が生産している、スパイダーという3輪の乗り物があります。

1330ccのエンジンを積んで、バギーのような感じでまたがる、アグレッシブなイメージの前二輪の三輪車です。

いかにもバイクのような乗車姿勢ですが、これも普通免許が必要です。
大型二輪免許では運転できません。

おそらくリーンしないのと、トレッドが460mm以上あるので、特定二輪車には該当しません。
これも、法定最高速度は80kmなので、注意が必要です。

ジャイロXとジャイロキャノピーは

ホンダがビジネス用途に向けて販売している原付の三輪車があります。
このジャイロXと屋根付きのジャイロキャノピーです。

排気量が49ccなので、上記の特定二輪車の概念に含まれません。
だから、原付免許(普通免許のおまけも含む)で運転ができます。

ただし、エンジンが51cc以上になると、普通自動車になってしまいます。

トレッドが496mmなので、特定二輪車に該当せずに、普通免許になってしまうのです。
ホンダがトレッドを狭くして、460mm未満に改造すれば、普通二輪免許(小型限定)で運転できますが、どちらが良いのか・・・。

バイクの種類を10個のカテゴリ分けして詳しく解説

バイクの種類の解説をまとめたページです。
アドベンチャーツアラー、アメリカン&クルーザー、スクーター、原付一種&原付二種、オフロードバイク、巨大バイク、スーパースポーツ、ネイキッドバイク、レトロ&クラシック、その他



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