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モンキー125に寄せる青春の夢で行動範囲が広がる

モンキー125に寄せる青春の夢で行動範囲が広がる

自然豊かなふるさとの足は自転車だった

初めて自転車に乗れた頃を思い出す。
自分の行動範囲がグンと広がったはこの時だと思う。

それまで目的地へ行くことが目的だったが、目的地をもたず自転車に乗って単に移動すること自体が楽しかった。この道をずっと行くとどこへ行けるんだろう。
いつもまっすぐ進んでいる道を途中で曲がってみたらどこへいけるんだろう。
自転車なので距離はかぎられているが、そんな要求を満たしてくれた。

私の住んでいた町は、山に囲まれた田舎町。
電車も通っておらず公共の移動手段はバスのみ。
道をまっすぐ進んでいくと山に突き当たりそこであきらめるしかないのに気づいたのは、もう少したってからだ。

もちろん、それから自転車で山を越えたことはある。
低い山だったが友だち数人と1日がかりで往復した。
山の向こうへ着いた時には、それなりの達成感があった。

お互いにほめ合い、心地よい疲労感をお土産に元来た道を戻っていった。
そのときの小さな冒険と一緒に思い出すのは、峠から見た山を越えた向こうにもまだ道は続いており、さらにその向こうにもまた山がそびえていた風景だ。

バイクで通学する同級生

高校に入って山の向こうから通ってくる同級生が何人かいた。
彼らは交通の便が悪いところから通うため原付バイクで通ってもよいという特権を学校からもらっていた。

バスの数が少なく部活をやると学校へ通う手段がなくなるからだ。
山の内側に住む私たちは、免許を取ることすら許可されていなく自転車ぐらいしか乗ることができなかった。
これまで遠く感じていた山の向こうからこともなげに通ってくる同級生をうらやましく思ったものだ。

彼らは、ほとんどが父親から譲ってもらったようなスーパーカブを乗っていたが、そのなかにモンキーを乗っている奴がいた。
どうしても野暮ったく感じてしまうスーパーカブに対し洗練され少しあいきょうのあるフォルムは、特にうらやましく思ったものだ。

いつしか彼らとも仲良くなり何度かモンキーに乗せてもらった。
初めて操作するクラッチ。なかなかつながらない。すでに先に乗せてもらった仲間が得意になってコツを教えてくれる。

クラッチ操作に手こずる私にクラッチを使わなくてもいいスーパーカブに乗ったら?という仲間の親切心も屈辱にしか感じす、初めてのクラッチにムキになって挑んでいた。

自分でギアをつなぐということでバイクを征服することができるのではないかと思いながら。
実際、ギアがつながりスムーズにスタートしセカンド、サードとギアをカチャカチャと切り替える感覚は、心地よい。
ようやくコツががつかめ空地内を走り回れたときの爽快感は、自転車に初めて乗れたときの感動につながった。

いつかバイクに乗れれば、自分の行動範囲がまたグンと広がるだろう。この道のずっと先、山の向こうまで自由に行き来できるようになりたい。

社会人になり、都会と呼ばれる所に住むようになった。
交通手段は、田舎と違い電車やバスが充分に張り巡らされていて移動手段には、事欠かない。

それでも高校時代のバイクへの想いは残っており、なんとかバイクを手にすることができた。
残念ながら、当時の給料で手がとどいたのは、スクーター。

もちろんクラッチは、着いていない。
それでも乗りやすさと手軽さは、好奇心を満たすのに充分で当時私の小さな冒険のお供になった。
普段は通らない道の探索や自転車では少しキツイかなと思うような場所も身近になりそれなりに満足した。

ただ山を登る時は、エンジンがあえいでいるようで山を越えてとなり町までの冒険は、あまりできなかった。

そのうち、私も家族を持つようになり移動手段は、バイクから車に代わっていつた。
移動すること自体より目的地へ着くことを目指すようになった。
何度目かの引越しでスクーターも手放した。
子供が大きくなり手がかからなくなって来た頃、ふと昔のことを思い出す。
意味もなくいつもと違う道を曲がって違う世界をのぞいたり山の向こうまで手軽な冒険を目指していたころを。

そんなに遠くまで行かなくてもいいバイクで移動すること自体を楽しみたい。
そんな時に、耳にしたのが、モンキーが消えるとのニュース。

ガッカリするよりバイクへの想いが逆に増幅された。

待望のモンキーが125ccで復活

それから、しばらくして、125CCで復活すると聞いたときは、私のために企画してくれたのではないかと思うほどのタイミングの良さだ。125CCというバージョンアップも望むところだ。

パワーアップでありながら手軽さは、失くしていないようである。

クラッチ操作は、まだ覚えているだろうか?
とにかく、原付二種の免許を取ってモンキーを迎えに行こう。

山を越えてとなり町までの冒険、高校時代にあこがれたクラッチのついたバイク、モンキーで。
しかも、125CCとパワーアップしてさっそうと山道を登る姿を当時の自分に自慢してみよう。

大掛かりなツーリングでなくて良い。
日帰りできる程度でいい。
好きなところで止まって、気になったところで曲がる。

そんな風に、きままに移動すること自体を楽しみながら。



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