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アメリカンバイクはなぜ大型エンジンなのかを定義から考える。

アメリカンバイクはなぜ大型エンジンなのかを定義から考える。

アメリカンバイクとは

日本では「アメリカンバイク」と言うバイクの種類が明確にありますが、世界的に見ると、この呼名は通用しないようです。
では、何と言うかというと、クルーザーと言うらしいですね。

これには、わたしとしては違和感があります。

クルーザーは、「クルーザーバイクは豪華さこそ命」に書いたように、リアシートに肘掛けでも付けようかという絢爛豪華な大型バイクを指すのであって、アメリンバイクそのものではありません。

一方、アメリカンバイクの中には、下の写真のチョッパーのような、まったく豪華ではないバイクも含まれます。

☆チョッパー

チョッパー

ここでは、クルーザーは別にして、日本流の(というよりもわたしの感性で)アメリカンバイクについて書くことにします。

アメリカンバイクの定義

正式なアメリンバイクの定義はありませんが、わたしが勝手に決めたアメリカンバイクの3つの判断基準を紹介します。

アメリカンバイクの3要素

アメリカンバイクの3要素

  • シート高が低い
  • キャスター角が大きくフロントフォークが寝ているので
  • 結果的にホイールベースが長い

この3点です。

必然的に、ロー&ロングの形状になり、直進安定性に優れた(曲がりくい)バイクが出来上がるのです。
これを称して、アメリカンバイクと言います。

シートの高さ

シートの高さは、普通の形の大型バイクでは800mm程度です。
例えば、

  • スズキの隼(1339cc)が805mm、
  • ホンダCB1300(1284cc)が780mm、
  • ヤマハXJR1300(1250cc)が795mmと言う具合です。
  • 400ccクラスでも770mm程度、
  • 250ccクラスでもあまり変わりません。

アメリカンでは100mmほど下がって、700mm程度まで低くなります。

  • スズキBOULEVARD M105109R(1783cc)が705mm、
  • KAWASAKI VULCAN2000(2053cc)が680mm
  • ハーレー LOW RIDER(1689cc)が700mm、
  • ハーレー FAT BOY(1689cc)が670mm、
  • ハーレー SOFTAIL CLASSIC(1689cc)が690mm
  • ハーレー WILD GLIDE(1690cc)が690mm

100mm程度の差ですが、足つき性を考えると実際の安心感はまったく別世界といえるほどに違います。

キャスター角

普通のバイクのキャスター角は25°程度です。

  • スズキ隼のキャスター角は23°25’、
  • ホンダCB1300が25°00’、
  • ヤマハXJR1300が25°30’

アメリカンバイクでは、5°ほど寝る形になり、30°程度になります。

  • スズキBOULEVARD M109Rが31°15’、
  • KAWASAKI VULCAN2000が32°
  • ハーレー LOW RIDERが30.5°、
  • ハーレー FAT BOYが31°、
  • ハーレー SOFTAIL CLASSICが31°
  • ハーレー WILD GLIDEが34°

キャスター角が5°違うと。コーナリング性能がまるで違います。

ホイールベース(軸間距離)

普通のリッターバイクのホイールベースは1500mm程度です。

  • 隼のホイールベースが1480mm、
  • ホンダCB1300が1520mm、
  • ヤマハXJR1300が1500mm

アメリカンバイクのホイールベースは1600mm以上であり、長い機種では1700mmを超えるものもあります。

  • スズキBOULEVARD M109Rが1710mm、
  • KAWASAKI VALCAN2000が1735mm
  • ハーレー LOW RIDERが1630mm、
  • ハーレー FAT BOYが1635mm、
  • ハーレー SOFTAIL CLASSICが1625mm
  • ハーレー WILD GLIDEが1730mm

ホイールベースが長いと、やはりコーナリング性能が低下しますので、キャスター角が大きいこととあいまって、曲がりにくいバイクになるのです。

 

アメリカンバイクに大型エンジンを積む理由

曲がりにくいことを犠牲にしても直進安定性に優れたバイクでどこを走るかを考えれば、大型エンジンを求める理由が分かってきます。

曲がりにくいのですから、カーブが少ない道路を走るためのバイクです。
カーブが少ない、つまり長い直線路といえば、ロングツーリングの高速道路でしょう。

直線の高速道路を長く安定して走るためには、余裕のある大型エンジンが必要になります。

さらに言えば、ゆったりと余裕を持って走りたいので、低回転でトルクが太いロングストロークのエンジンが好ましいのです。
しかし、単気筒では振動が気になるのでゆったりツーリングが出来ません。
そこで、2気筒の大型エンジンとなると、収まりが良いのがV型エンジンなんですね。

こうして、ロー&ロングのバイクの設計は、V型2気筒の大型エンジンを積んだアメリカンバイクに行き着くのです。

50ccでもそれなりのロー&ロングのアメリカンバイクも設計できますが、地平線が見えるようなどこまでも続く直線の高速道路をゆったりと走り続けるためのバイクではありませんから、所詮パロディであり本当のアメリカンバイクとはとは言えないと思います。

アメリカンバイクの乗車姿勢は殿様乗り

通常のバイクは、足を乗せるステップがほぼシートの真下にありますが、これに対して、アメリカンバイクはシート高さが低いので足を置くステップが前方になります。
スクーター以外のバイクでは足置き場は横棒のステップなのですが、アメリカンバイクの中には、ステップではなく足を置く平面を形成している場合もあります。

シートの高さが低いために、膝を曲げると窮屈なので、どうしても前方に足を投げ出すような乗車姿勢になるのです。
次に示す左右の図を比べてみてください。

右のネイキッドバイクは前傾姿勢で早馬のような乗車姿勢ですが、左のアメリカンバイクの乗車姿勢は足を前方に放り出して、むしろふんぞり返るような偉そうな乗り方に見えるでしょう。
だから、これを「殿様乗り」といいます。

まったく戦闘的な姿勢ではありません。

右の図が一般的なネイキットバイクの乗車姿勢ですが、スーパースポーツになると前傾姿勢がもっと強くなり、長時間乗るのが辛くなります。

ハレーダビッドソンを以って最良とするらしい

アメリカンバイクは、日本のメーカーでも生産していますが、本物はハーレー・ダビッドソンだという風潮が支配的です。
特に、実際にハーレーに乗っている御仁には、そのような考え方をお持ちの方が多いですね。

実用性よりも、雰囲気で乗るバイクだからこそ、そのような議論が出てくるのです。
しかし、ハーレーでもSTREET RODのように、アメリカンバイクとは言えないような機種もあります。

また、400ccのアメリカンタイプを馬鹿にする人たちも存在しますが、ヤマハのDRAGSTAR400など、独特の雰囲気を持ったいいバイクだと思いますよ。

好みは人それぞれなので、自分が満足していれば、それで良いのです。
他人をけなすのは止めましょう。

ジャメリカン・バイクとは

ハーレーダビッドソンはV型エンジンなので、そのドコドコ感がたまらないようで、40年ほど前に日本で作られた並列2気筒のアメリカン風バイクは、ジャメリカンバイクなどと揶揄されていました。

20161109b上の写真は、わたしが若い頃乗っていたYAMAHA XS650SPのカタログ写真です。

和製アメリカンのハシリの頃ですが、直立2気筒のネイキッドバイクをベースにして、フロントフォークだけを伸ばしたようなもので、どこがアメリカンなのかと言う感じでしたね。

650ccなんだけど、このバイクは遅かったなぁ。
高速道路では、250ccのネイキッドに軽々とおいて行かれました。

もう、とっくに処分してしまったけれど、いま人気らしいですね。
程度が良い車体なら100万円を超える値段で取引されているようです。

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