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250ccスクーターが生産終了で衰退している理由とは!

250ccスクーターが生産終了で衰退している理由とは!

250ccスクーター(ビグスク)が相次ぐ生産終了で衰退

高速道路を走行できるスクーター(125ccを超える)で、現在国内で販売されているのは次の10車種だけです。

ホンダのX-ADVはスクーターとの表示はありませんが、腰掛け型に座るので、下の定義にしたがってスクーターと言っていいでしょう。

1953年(昭和28年)の通商産業省(現・経済産業省)等が定めた定義では「原動機を座席の下に設け、前方に足踏台のある、車輪の直径が22インチ以下であるような2輪自動車を指す」とされる。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC

参考記事⇒ スクーターの特徴と発達の歴史

250ccスクーターはXMAXのたった1機種だけ

2018年1月の時点で、国内で販売されているスクーターは上記の10機種ですが、250ccのスクーターは、中央に赤枠で示したヤマハXMAX1機種だけなのです。

あれほど街中にあふれていた『ビグスク』こと250ccスクーターがどうしてこれほど衰退してしまったのでしょうか。

ビグスクの全盛時代は2010年頃

1986年4月に発売されたホンダ・フュージョンがビッグスクーターの始まりでしょう。発売当初は、アメリカンタイプのスクーターみたいだと言われてあまり人気が出ませんでしたが、それから20年後の2006年頃には『ビグスク』などと呼ばれて大流行しました。

2005年から2015年頃には各社から250ccスクーターが次々に発売されました。
過去にはこんな250ccスクーターがありました。

  • ホンダ:FUSION、FORSIGHT、PS250、FORZA、FAZE
  • ヤマハ;Majesty、MAXAM、GRAND Majesty
  • スズキ:SKYWAVE、gemma
  • カワサキ:EPSILON(スズキからOEM供給)

この頃には、街には『ビグスク』の若者が溢れ、ドレスアップと称して、車高を下げたり、ペイントやデコレーションに凝ったり、チャラいバイクがそこらじゅうを走っていました。

中には、ビグスクに乗るための衣装や服装の研究している人たちがいたほどです。

この時代の『ビグスク』の大流行の理由は、バイクとしての実用価値ではなく若者のファッションの一部だったのです。

2017年に生産終了が相次ぐ

バイクの人気が下火になる中で、次々に生産終了が発表されましたが、最終的なイベントは、2017年9月の「平成28年排出ガス規制」でした。

250ccスクーターは単気筒エンジンなので、排ガス浄化が難しいようです。
設備の大きさと費用の面で。

それにしても、あれほど大流行した『ビグスク』が、たったの1車種に激減してしまったのには、排ガス規制だけで済まされない理由があります。
排ガス規制への対応は、多少困難ではあっても、技術的に解決できない問題ではありませんからね。

250ccスクーター衰退の理由は、前項で述べたように若者のファッションが終わったことなのですが、その背景をさらに探ってみましょう。



スクーターの実用的価値は日常の下駄代わり

腰掛けスタイルなのでスカートでも乗れて、クラッチ操作が要らないので、誰でも気軽に乗れる。
これが、スクーターに求められる基本的な条件です。
そうでなければ、普通のバイクの形状で良いのですから。

この条件から考えられる用途は、日常の下駄代わりとなる、街乗りの足です。
つまり、おじいちゃんもおばあちゃんもお嬢さんもお兄ちゃんも、ちょっとそこまで出かけるのに歩いて行くにはちょっと遠いというときに、下駄代わりに使いたいのがスクーターなのです。

映画、『ローマの休日』でオードリーヘップバーンがスカートのまま乗ったベスパの手軽さこそが、スクーターの原点です。
映画では、ヘルメットを被っていませんでしたね。

このような用途であれば250ccのパワーは必要なく、50ccでは物足りないとしても125ccで十分です。
東南アジアの国々では110ccが標準になっていますが、いずれにしても250ccのパワーは必要ありません。

大は小を兼ねない

日常の足として使うのに250ccパワーが問題になるかというと、パワー自体は問題にはなりませんが、車体の大きさと重さが問題なのです

2009年頃に売れたいたアドレスV125Gとマジェスティを比べてみましょう。

重さで比較してみると
・アドレスV125Gは、89kg
・マジェスティは、188kg
125ccスクーターと比べて、250ccスクーターは2倍以上も重いのです。

大きさで較べてみると
・アドレスV125Gは、1750mm
・マジェスティは、2175mm
125ccスクーターと比べて42センチも大きいのです。

この重さと大きさの違いは、日常の使い勝手として天と地ほどの差があります。

ちょっとスーパーに買い物に出かけて駐輪場に止めようと思ったときに、250ccスクーターは完全に邪魔者扱いされてしまいますが、125ccスクーターであれば自転車の隙間に入れてもらうことが出来ます。

また、自宅の駐輪スペースに余裕のある人ばかりではありませんね。
日本の家屋事情では、狭い駐輪スペースから引っ張り出すのに、この大きさと重さのために、毎日引きずり出すのに苦労をしている人も少なくないはずです。

日常の足として考えたときには、大は小を兼ねないのです。

走りの魅力に欠けるところがある

大型バイクを所有する目的は、一般的には実用性ではありません。

大型バイクは非常に趣味性が強い乗り物ですから、実用性を離れてバイクの価値を考えなければなりません。

例えば、スポーツ性を楽しむとか所有欲を満たすなどがあげられます。

『ビグスク』流行の時代に、若者がファッションの一部として飾り立てたのは、そのような趣味の一環なのです。
『ビグスク』ファッションが廃れてしまった現在では、ファッション的な魅力はありません。

上の項で書いたように、日常の足としては250ccの車体は大きすぎます。
では、どんな魅力を引き出すかを考えてみましょう。

高速ツーリングにはパワー不足

バイクですからツーリングは必須要件ですね。
大型バイクであれば、目的地付近までは高速道路を使うのが普通です。

高速道路では急なカーブはないし、トリッキーな走行はできませんから、大型らしいゆとりある走りをしたいです。
ところが、250ccスクーターではゆとりある走りは期待できません。

250ccスクーターの最高速度は120キロくらいですから、追い越し加速には時間と距離が必要なので、あまり無理はできません。
また、法定速度の100キロで走っても、ほぼアクセル全開に近いので、あまり長時間の走行には適していません。

要するに、高速道路を走行する権利はあるけれども、パワー不足なので高速道路走行にはあまり適してはいないのです。

峠では面白くない

バイクの走りの魅力の一つとして、コーナリングの楽しみがあります。

カーブが多い山道のコーナーを楽しむのですが、峠を攻めるとは言いませんが、ギアチェンジとアクセルワークを駆使しながら、曲線路を走るのは楽しいものです。

しかし、スクーターの無段変速機では、この醍醐味が減少してしまいます。
250ccスクーターに限ったことではなく、わたしが乗っていたスポーツバイクのTMAXでも物足りなさを感じて、新車購入からわずか半年後には売却してしまいました。

バイクにとっては、アクセルワークだけではなく、シフトチェンジも楽しみの一つなのです。

 

スクーターのニ極分化の流れ

「日常の足」と「高速性能」の両立を狙った250ccスクーターの目論見は外れてしまいました。

日本の税制の申し子として誕生した250ccスクーターでしたが、2つの目的が中途半端になり結果的に二極分化することになりました。

日常の足として150ccスクーター

日常の足なら原付2種の125ccで十分なのですが、ちょっとだけでも高速道路が使えたら便利だという要求に応えるために、150ccのスクーター需要が生まれました。

250ccスクーターの『ビグスク』のようなきらびやかな豪華さは必要なく、実用性重視です。

高速道路走行性能も高性能は求めないで、時j速100キロで2つほどのインターを超えれば良いと割り切ってしまいました。

その結果が、125ccのエンジンをちょっとだけ大きくした150ccスクーターの誕生でした。
ヤマハでは、155ccスクーターを3車種も揃えています。

税制面でまた保険の面で、原付2種よりも経済的に不利なので、短距離の高速道路走行のためにユーザーが150ccスクーターを選択するかどうかは不透明です。

 

高速走行なら500cc以上のスクーター

スクーターへのもう一つの要求は、ゆとりある高速走行性能です。

この目的のためには、250ccでは完全に力不足です。
日本の免許制度の区切りとして400ccスクーターもあったのですが、この分野のスクーターのメインマーケットは日本ではなく、ヨーロッパなのです。

20年ほど前まではプラチナ免許だった『限定解除』制度から、教習所卒業で実技試験が免除される『大型自動二輪』に移行したことにより、400ccの壁は薄くなりました。

こうなると、主戦場であるヨーロッパの需要を考えて、巡航速度140キロ程度の設計が必要になります。
巡航速度140キロとなると、400ccスクーターでもパワー不足が否めません。

500ccのヤマハTMAXがヨーロッパで人気になり、それを受けて日本では遅れて発売されました。
その後、TMAXは530ccにアップグレードされています。

250ccではパワー不足が明白ですが400ccでも不十分なので、500cc以上のスクーターが生き残ることになりそうです。

 

そもそも大型スクーターは必要か

そもそも、スクーターの原点に立ち返れば、オードリーヘップバーンが乗ったベスパに立ち返ります。

この原点の目的では、大型のパワーは必要ありません。

主戦場となるヨーロッパの実用バイクの流れば、アドベンチャーツアラーに移っています。
スズキのVストローム650は、ヨーロッパではアルペンローダーの称号のもとに人気がでました。
この人気を受けて、2~3年遅れて日本でも発売して、その長距離走行の実用性が認められた結果、アドベンチャーツアラーブームの先駆けになったのです。

TMAXからVストローム650へ

わたしはリターンライダーになってから、大型スクーターに憧れてTMAXを購入しました。
しかし、わずか半年で飽きてしまい、売却しました。

ある程度予想はしていたのですが、やはり、ギア操作がないバイクはライディングの面白みに欠けます。
大型バイクに乗る人は、楽チンだけを求めて乗っているわけではないのです。
それなりの、面白さを求めているのです。

その後に購入したのが、アドベンチャーツアラーのVストローム650ABSです。
現在、購入から5年が過ぎましたが、まだ満足して乗っています。
日本の道路では、リッターオーバーのバイクは必要ないとの信念のもとに、ミッドサイズにこだわっています。

このわたしの経験が、バイク乗りの嗜好を表しているような気がしています。

ということで、大型スクーターは必要ないので、いずれ消えてしまう運命であると、わたしは予想しています。

バイクの種類を10個のカテゴリ分けして詳しく解説

バイクの種類の解説をまとめたページです。
アドベンチャーツアラー、アメリカン&クルーザー、スクーター、原付一種&原付二種、オフロードバイク、巨大バイク、スーパースポーツ、ネイキッドバイク、レトロ&クラシック、その他



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